私は60歳までの52ヶ月間、国民年金保険料免除を受けていました。
これについて、保険料をあとから納める追納を検討し、そのメリットに疑問を感じながらも、最終的には追納を実行しました。
年金額をさらに増やす方法として国民年金の任意加入を検討しました。
国民年金の任意加入制度とは
60歳になると国民年金保険料の納入義務がなくなりますが、受給資格を満たしていない場合や、40年の納付期間に足りず老齢基礎年金の満額受給できない場合などに、60歳を過ぎても保険料を納入できる制度です。
以下の条件があります
- 厚生年金・共済組合等に加入していないこと
- 60歳以降の申出があった月以降から65歳まで加入できる
- さかのぼって加入はできない
- 口座振替が原則
- 納付月数が480月になるまで納付できる
市区役所・町村役場で申し込みます。
任意加入制度の損得を考えてみました
任意加入の損得を実際の数字で考えてみました。H26年度の保険料と老齢基礎年金額で計算しています。
- 国民年金1ヶ月分保険料
15,250円 - 老齢基礎年金額
772,800円 - 1ヶ月分納付で増える年金額
772,800÷480=1,610円 - 何年でモトが取れるか
15,250÷1,610=9.5年 - 何歳でモトが取れるか
65+9.5=74.5歳
保険料免除の追納はモトが取れまで約19年もかかりますが、任意加入はその半分の期間でモトが取れます。任意加入制度はぜひ利用したいと思いました。
私自身の未加入期間を計算しました
私の場合、26歳で正社員として就職し厚生年金に加入するまで、国民年金には加入していませんでした。
学生に国民年金への加入が義務づけられたのは平成3年4月からで、就職するまで年金のことは考えたこともありませんでした。
60歳到達時の未加入期間を計算すると以下のようになります。60歳までの保険料免除を追納したとして月数を計算しています。
- 厚生年金 =334月
- 国民年金1号=65月
- 加入期間 =399月
- 未加入期間 =480-399=81月
60歳から65歳まで5年間(60ヶ月)任意加入しても満額にはなりません。あららっ…。
任意加入制度を利用して、今(2018年)も保険料を払っています
未納期間が7年弱もあり、この未納期間を穴埋めするために是非利用しようということで、任意加入の手続きをしました。
この制度に気付いたのは60歳の誕生日後しばらくたってからでした。溯っての納付ができないので3ヶ月の穴ができました。
任意加入は65歳になる月の前の月まで保険料を納入できます。私の場合は、H31年(2019年)7月分まで納入できます。
そこまで納入したとすると、60歳までの未納期間81ヶ月の内、57ヶ月を取り返すことができます。
平成26年度の国民年金保険料と老齢基礎年金額で計算してみました。
- 任意加入57ヶ月
- 納入する保険料は
15,250×57=869,250円 - 増加する年金額は
772,800÷480×57=91,770円 - モトが取れる期間は
869,250÷91,770=9.5年 - モトが取れる年齢は
65+9.5=74.5歳
追納と任意加入を組み合わせると年金額はどうなる
追納した上で任意加入すると年金額は満額に対して95%まで回復します。
追納 任意加入 | 追納前 | 追納後 | 追納 +任意加入 |
---|---|---|---|
厚生年金月数 | 334月 | 334月 | 334月 |
国民年金月数 | 40と1/8月 | 65月 | 122月 |
合計月数 | 374と1/8月 | 399月 | 456月 |
対満額比 | 77.9% | 83.1% | 95.0% |
支給額 H26満額 772,800円 | 602,341円 | 642,390円 | 734,160円 |
免除保険料追納と任意加入、モトがとれるのは
60歳までの保険料免除を追納し、さらに65歳まで任意加入をすると
- 納入する保険料(追納+任意加入)
752,350+869,250
=1,621,600円 - 増加する年金額は
734,160-602,341
=131,819円 - モトが取れる期間は
1,621,600÷131,819
=12.3年 - モトが取れる年齢は
65+12.3=77.3歳
まとめ
- 60歳以降に国民年金保険料を納入する任意加入制度がある
- 任意加入制度で未納期間をリカバーできる
- 任意加入の納入金は約9.5年、74.5歳でモトが取れる
今回、長生きリスクに備えるということで、160万円を越える保険料を追加で納めることにしました。
計算上77歳まで生きないと損するということになりますが、保険というものはそういう損得で考えるものではないとも思います。