厚労省発表のデータを元に、公的年金制度の制度全体の単年度収支・年度末積立金の変遷をまとめました。
公的年金制度全体の財政収支
国民年金、厚生年金、共済組合(国家公務員・地方公務員・私学教職員)を一体と考えた、公的年金全体の単年度収支、年度末積立金残高の推移です。
被用者の年金制度が厚生年金に統一された平成27年度(2015年度)以降のデータです。
単位:兆円
年度 | H27 2015 |
H28 2016 |
H29 2017 |
H30 2018 |
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収 入 |
収入総額 | 51.6 | 53.5 | 52.7 | 52.8 |
保険料収入 | 33.8 | 35.8 | 37.3 | 38.4 | |
国庫公経済 | 12.2 | 12.4 | 12.5 | 12.7 | |
支 出 |
支出総額 | 51.0 | 51.7 | 52.4 | 53.0 |
給付額 | 50.7 | 51.3 | 52.0 | 52.6 | |
単年度収支 | 0.6 | 1.8 | 0.3 | △0.2 | |
運用損益 | △5.8 | 9.2 | 11.9 | 2.8 | |
年度末積立金 | 174.7 | 185.8 | 198.1 | 200.7 |
平成30年度(2018年度)場合
- 収入総額 52.8兆円
- 保険料収入 38.4兆円
- 国庫公経済 12.7兆円
- 支出総額 53.0兆円
- 給付額 52.6兆円
- 収支(運用除く) △0.2兆円
- 運用益 2.8兆円
- 年度末積立金(時価) 200.7兆円
語句の説明
- 国庫公経済「国庫・公経済負担」
基礎年金(老齢・障害・遺族)は、基礎年金勘定から支給されている。その元資は、国民年金勘定・厚生年金勘定・各共済組合から基礎年金拠出金として基礎年金勘定に繰入れ・納付される。この基礎年金拠出金の2分の1に相当する額が国庫又は地方公共団体等から各制度に支給されている。
少し詳しく
上記の表で省略した項目を含め、元データから単年度収支を億単位でまとめました。
語句の説明
- 職域等費用
「職域等費用納付金」旧三公社共済(日本たばこ産業共済・日本電信電話共済・日本鉄道共済)の共済年金の職域年金部分(厚生年金相当に上乗せ支給される部分)等は厚生年金が引き継いで支給することになっており、その費用として旧三公社共済の存続組合が厚生年金に納付する額のこと。 - 解散基金
「解散厚生年金基金等徴収金」平成26年4月以降、厚生年金基金が解散した場合、厚生年金に代わって運用していた『代行部分』の資産は厚生年金に納付され、厚生年金として支給されることになります。 - 福祉医療機構
「独立行政法人福祉医療機構納付金」旧年金資金運用基金が行っていた年金住宅融資等債権の管理・回収業務を平成18年度以降は独立行政法人福祉医療機構が承継しており、当該業務で回収された回収金が年金特別会計へ納付されたもの。
厚労省元データ
この記事で取り上げたデータは厚生労働省ホームページの以下の記事から引用しています。
公的年金各制度の財政収支状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000128082.html
平成30年度(2018年度)のデータ
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