厚生労働省の資料で、公的年金の2018年度の単年度収支を確認しました。
公的年金制度全体
- 収入
- 保険料収入 38.4兆円
- 国庫・公経済負担 12.7兆円
- 支出
- 給付費 52.6兆円
- 積立金
- 2017年度末 198.1兆円
- 2018年度末 200.7兆円
公的年金単年度収支2018年度
厚生労働省社会保障審議会年金数理部会第84回 2020年3月30日開催の報告書要旨の一部です。
単位を変えて表にしました(兆円)
区分 | 厚生 年金 | 国民 年金 勘定 | 基礎 年金 勘定 | 制度 全体 | |
---|---|---|---|---|---|
収 入 | 保険料収入 | 37.0 | 1.4 | 38.4 | |
国庫・公経済 | 10.9 | 1.8 | 12.7 | ||
基礎年金交付金 | 0.6 | 0.4 | |||
基礎年金拠出金 | 24.1 | ||||
総額 | 50.1 | 3.6 | 24.1 | 52.8 | |
支 出 | 給付金 | 29.2 | 0.5 | 22.9 | 52.6 |
基礎年金拠出金 | 20.9 | 3.2 | |||
基礎年金交付金 | 1.0 | ||||
総額 | 50.4 | 3.8 | 23.9 | 53.0 | |
収支 | △0.2 | △0.2 | 0.2 | △0.2 | |
積 立 金 | 前年度末 | 185.8 | 9.2 | 3.1 | 198.1 |
単年度収支 | △0.2 | △0.2 | 0.2 | △0.2 | |
運用損益 | 2.6 | 0.1 | 2.8 | ||
年度末 | 188.2 | 9.2 | 3.3 | 200.7 |
収入・支出については、省略されている項目があります。収支については、四捨五入の結果総額との数値が一部合いません。
公的年金単年度収支 概略図
この単年度収支では、厚生年金勘定・国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済を一体として厚生年金と考え、これらの機関同士でやりとりされる資金の移動は除かれています。
新法基礎年金は基礎年金勘定から
昭和61年に新法で定められた基礎年金(老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金)は厚生年金・国民年金勘定から基礎年金拠出金として基礎年金勘定に移されて、基礎年金勘定から給付されます。
旧法基礎年金相当は
厚生年金・国民年金勘定から
昭和61年より前の旧法の国民年金及び被用者年金の給付費のうち基礎年金に相当する給付費(基礎年金相当給付費あるいはみなし基礎年金給付費ともいう)は、厚生年金・国民年金勘定から基礎年金拠出金の中に含まれていったん基礎年金勘定に移され、そこから基礎年金交付金として厚生年金・国民年金勘定にもどされ、厚生年金・国民年金勘定から給付されることになります。
制度全体
公的年金制度の中でやりとりされる基礎年金拠出金・基礎年金交付金の資金の移動を除いた制度全体の収支の概念図です。
まとめ
新法の基礎年金給付金および旧法の基礎年金相当給付金の資金の半額は、国庫・公経済負担から出されています。
国庫 ・公経済負担 とは、国庫のほか地方公共団体・独立行政法人による負担です。
つまり、基礎年金の半額は国などが、厚生年金の半額は会社が資金を出していることになります。