国民年金保険料は個人事業主などの「国民年金第1号被保険者」が毎月納付します。
毎年1月に国民年金保険料が厚労省より公表されますが、2年前納額制度があるため令和6年度の金額は昨年すでに公表されており、今回は新たに令和7年度の額が公表されました。
▼国民年金保険料(月額)
- 令和6年度(2024年度):16,980円(前年発表)
- 令和7年度(2025年度):17,510円(今回発表)
令和7年度の保険料は令和6年度より530円の増額になりました。
国民年金保険料の推移と保険料決定のルールについて記事にしました。
平成16年度に決定した保険料を物価や賃金の変動で調整します
平成16年度(2003年度)の年金制度改正により、平成16年度の保険料13,300円から毎年280円ずつ引き上げ、平成29年度(2017年度)以降は16,900円を上限とし一定額にするように定められました。
さらに、その後、産前産後の保険料免除制度の財源確保のため、令和元年度(2019年度)より100円引き上げて17,000円になりました。
▼規定保険料
- 平成29年度~ 16,900円
- 令和元年度~ 17,000円
ただし、実際の保険料は、物価や賃金の変動に合わせて、規定保険料額に改定率を乗じて調整することになります。
国民年金保険料の改定率は以下のように定められています。
- 保険料改定率
=前年度改定率
×物価変動率×実質賃金変動率
- 実際の国民年金保険料
=規定保険料×改定率
令和7年度保険料の算出方法
令和6年度(2024年度)の保険料額は、令和5年1月時点で公表されており、今回は令和7年度(2025年度)の国民年金保険料が発表されました。
令和7年度(2025年度)の改定率は以下の3つの数字を乗じて決定します。
- 令和6年度改定率
-0.1%(0.999) - 物価変動率(令和5年)
+3.2%(1.032) - 実質賃金変動率
(令和2~令和4年度平均)
-0.1%(0.999)
- 令和7年度改定率
=0.999×1.032×0.999
=1.030(+3.0%)
令和7年度(2025年度)の改定率は2010年度以来15年ぶりにプラスになり、令和6年度より+3.0%になる大幅な増額になりました。
この改定率を規定額に乗じて保険料額とします。
- 令和7年度(2025年度)保険料
=17,000×1.030
=17,510円
※10円未満四捨五入
令和7年度(2025年度)の国民年金保険料17,510円が算出されました。
国民年金保険料の推移
年度 | 規定額 | 改定率 | 保険料 |
---|---|---|---|
2010(H22) | 14,980 | 1.008 | 15,100 |
2011(H23) | 15,260 | 0.984 | 15,020 |
2012(H24) | 15,540 | 0.964 | 14,980 |
2013(H25) | 15,820 | 0.951 | 15,040 |
2014(H26) | 16,100 | 0.947 | 15,250 |
2015(H27) | 16,380 | 0.952 | 15,590 |
2016(H28) | 16,660 | 0.976 | 16,260 |
2017(H29) | 16,900 | 0.976 | 16,490 |
2018(H30) | 16,900 | 0.967 | 16,340 |
2019(R01) | 17,000 | 0.965 | 16,410 |
2020(R02) | 17,000 | 0.973 | 16,540 |
2021(R03) | 17,000 | 0.977 | 16,610 |
2022(R04) | 17,000 | 0.976 | 16,590 |
2023(R05) | 17,000 | 0.972 | 16,520 |
2024(R06) | 17,000 | 0.999 | 16,980 |
2025(R07) | 17,000 | 1.030 | 17,510 |
令和6年度の年金額も公表されています
同時に、令和6年度の老齢基礎年金(満額)と夫婦二人世帯のモデル年金額も公表されました。
参考資料
国民年金保険料の変遷(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hensen.html
国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか?(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hokenryogaku.html