配偶者加給年金とは、振替加算とは、図解で説明します

南アルプス聖岳 老齢厚生年金
南アルプス聖岳

私は、2019年8月に65歳になり老齢年金の本来支給が始まりました。

65歳からは、年下の妻がいるため、老齢厚生年金に配偶者加入年金が加算されています。

私の加給年金の金額は、特別加算額と合わせて以下の金額になっています。

  • 2020年度 390,900円
  • 2021年度 390,500円

この配偶者加給年金は妻が65歳になると支給停止になり、代わって、妻の老齢基礎年金に振替加算が上乗せされます。

この加給年金と振替加算について記事にします。

スポンサーリンク

加給年金から振替加算へ

厚生年金加入期間が20年以上ある人が、65歳になり本来支給の老齢厚生年金の支給が始まるとき、65歳未満の配偶者がいる場合、本人の老齢厚生年金に配偶者加給年金が上乗せされます。

その配偶者が65歳になり老齢基礎年金の支給が始まると、配偶者加給年金は支給停止になりますが、代わって配偶者の老齢基礎年金に振替加算が上乗せされます。この振替加算は一生続きます。

配偶者加給年金・振替加算の条件

配偶者加給年金の受給条件

  • 本人の厚生年金加入期間が20年以上
  • 本人が65歳になったとき配偶者が65歳未満
  • 配偶者の年収が850万円未満(所得650万円未満)
  • 配偶者が65歳になり老齢基礎年金を受給すると支給停止
  • 老齢厚生年金を繰下げするとその間支給停止
  • 厚生年金加入期間が20年以上ある配偶者が「特別支給の老齢厚生年金」を受給すると支給停止

65歳時点で老齢厚生年金の受給手続きをせず66歳以降に繰下げ受給すると、その間配偶者加給年金は支給停止になります。

なお、繰下げ期間中に繰下げよる増額を選択せず65歳からの年金を一括で受け取ることもできますが、その場合は配偶者加給年金もあわせて受給できます。

振替加算の受給条件

  • 加給年金の対象となった配偶者であること
  • その配偶者が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていること
  • 厚生年金の加入期間が20年未満であること

加給年金と振替加算の金額

加給年金と特別加算

令和3年度の配偶者加給年金は224,700円です.

さらに、老齢厚生年金を受けている本人の生年月日に応じて、33,200円~165,800円の特別加算額が上乗せされます。

年金制度の改定により、現在の老齢基礎年金に相当する「老齢厚生年金の定額部分」の支給開始年齢が段階的に引き上げられたことなどを考慮して、生年月日が遅くなるほど特別加算額が大きくなっています。

ただし、昭和18年(1943年)4月2日以降に生まれた人が65歳になった平成20年(2008年)4月以降、特別加算額は定額になっています。

本人の生年月日特別加算額合計額
S..09.4.2~S.15.4.133,200円257,900円
S.15.4.2~S.16.4.166,300円291,000円
S.16.4.2~S.17.4.199,500円324,200円
S.17.4.2~S.18.4.1132,600円357,300円
S.18.4.2~165,800円390,500円

振替加算

振替加算の金額は、加給年金の金額に配偶者の生年月日に応じた乗率を掛けて算出します。

例えば、私の妻の場合、昭和34年4月生まれで、乗率は0.120、金額は224,700×0.120=26,964円になります。

生年月日が遅くなるごとに減率され、昭和41年4月2日以降に生まれた人は振替加算がありません。

配偶者の生年月日乗率振替加算額
令和3年度
S.29.4.2~S.30.4.10.25356,849円
S.30.4.2~S.31.4.10.22751,007円
S.31.4.2~S.32.4.10.20044,940円
S.32.4.2~S.33.4.10.17338,873円
S.33.4.2~S.34.4.10.14733,031円
S.34.4.2~S.35.4.10.12026,964円
S.35.4.2~S.36.4.10.09320,897円
S.40.4.2~S.41.4.10.06715,055円

振替加算は配偶者加給年金に比べて金額は小さいですが、配偶者が老齢基礎年金を受け取る限り一生続きます。

配偶者の厚生年金加入期間が20年以上でも…

配偶者の厚生年金加入期間が20年以上あっても、配偶者加給年金を受け取れる場合があります。

具体例

下図の例で、夫は65歳なった次月の2023年5月分から本来支給の老齢厚生年金が支給開始となります。

一方、妻は63歳になった次月の2025年5月分から特別支給の老齢厚生年金が支給開始となります。

この場合、妻の厚生年金加入期間が20年以上あっても、妻の特別支給が開始となるまでは、夫の方に配偶者加給年金が支給されます。

妻の特別支給が開始になると加給年金は支給停止になります。また、妻が65歳になり本来支給が始まっても振替加算はありません。

妻が年上の場合も振替加算は支給されます

配偶者が本人より年上の場合は、配偶者加給年金は支給されませんが、配偶者の厚生年金加入期間が20年未満の場合、本人が65歳になり本来支給の老齢厚生年金が支給開始になると、配偶者の老齢基礎年金に振替加算が上乗せ支給されます。

振替加算妻年上

配偶者が本人より年下の場合、本人が年金請求手続きをするとき、配偶者加給年金の手続きも同時に行われ、配偶者が65歳になると自動的に振替加算が支給されます。

配偶者が本人より年上の場合、配偶者自身の年金請求手続きをするときに、所定の手続きをすれば、振替加算に該当する年齢になった時に手続きを促す通知が届出様式とともに郵送されます。届出をしなければ振替加算は支給されないので注意が必要です。

繰下げ待機中は加給年金も振替加算も支給されません

65歳から老齢年金の本来支給が始まりますが、老齢厚生年金を繰下げ待機している間は加給年金は支給されません。

老齢厚生年金と老齢基礎年金は別々に繰下げできるので、基礎年金だけ繰下げする場合は加給年金が支給されます。

また、配偶者に支給される振替加算も配偶者が老齢基礎年金を繰下げ待機している間は支給されません。また、繰下げしても増額されません。