年金の学生納付特例を利用した娘に追納期限が迫る。どうする!?

北アルプス剣岳頂上 国民年金
北アルプス剣岳頂上

娘が大学生のとき、国民年金の「学生納付特例制度」を利用していました。

この猶予された保険料の追納期限が10年までということになっています。娘の追納期限が近づいているということで、この追納のメリット・デメリットについて調べてみました。

学生納付特例制度とは

国民年金は、20歳以上で強制加入となります。学生納付特例を申請すると、学生期間中、国民年金保険料月額16,340円(平成30年度)の支払が猶予されます。

  • 毎年申請が必要
  • 市(区)役所・大学・郵送等で申請が可能
  • 2年1ヵ月前までさかのぼって申請が可能
  • 本人の前年所得が118万円以下

猶予期間も受給資格期間に算入される

65歳からの老齢基礎年金を受給するためには、国民年金1号2号3号加入期間の合計が10年(120月)以上必要です。

学生納付特例の手続きをすると、猶予期間も受給資格期間に算入されます。手続きをしない「未納」の場合は、受給資格期間に算入されません。

ただし、猶予期間は年金支給額計算の月数には算入されない

65歳から支給される老齢基礎年金の支給額は以下の計算式になります
平成30年度満額 779,300円
支給額=満額×支給額計算月数/480月

満額支給を受けるためには、「支給額計算月数」が480月必要ですが、学生特例免除により猶予された月数は、この「支給額計算月数」には算入されません。

猶予期間中も万一の場合障害基礎年金・遺族基礎年金が支給されます

遺族基礎年金は、本人が死亡した場合に本人に扶養されている配偶者や子に支給される年金です。ただし、配偶者や子を扶養している学生というのはごくまれだと思います。

障害基礎年金は、本人が事故等で障害の状態になった場合、本人に支給されます。学生にとっても万一の場合に備えてとても重要になると思います。

障害基礎年金は、障害の原因となった病気やケガの初診日の前日において、以下の要件のいずれかを満たしている必要があります。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

学生納付特例で保険料が猶予されている場合は障害基礎年金が支給されますが、承認を受けず保険料が未納となっている場合は支給されません。

初診日以降に保険料納入や学生納付特例の手続きをしても、障害基礎年金の給付は認められません。

就職後も学生時代未納の場合は注意が必要

就職後に厚生年金に加入しても、上記(1)(2)いずれかの要件を満たしている必要があります。

以下の場合、障害年金がもらえないことになります。

(例)3月まで未納の人が4月に就職し翌年4月に怪我をして障害を負った

  • 初診日の前々月は2月
  • 厚生年金加入月数が11ヶ月で要件(1)を満たさない
  • 2月までの1年間に前年3月の未納があり要件(2)を満たさない

よって、障害年金を受給できません。
初診日以降に、未納の保険料を納めても障害年金は認められません。

保険料は10年後まで追納できます

学生納付特例制度により猶予された保険料を後から支払うことを「追納」といいます。「猶予」された保険料は10年後まで「追納」できます。

学生納付特例の申請をせず「未納」になっている保険料は、催告状、督促状が届き、納付を促されます。

娘の追納金額を計算しました

娘は平成3年5月生まれです。

  • 平成23年度(2回生) 5月~3月 11カ月
  • 平成24年度(3回生) 4月~3月 12カ月
  • 平成25年度(4回生) 4月~3月 12カ月

合計35カ月分の追納が必要になります。

年度保険金額追納金額月数合計金額
H2014,41015,170
H2114,66015,260
H2215,10015,520
H2315,02015,31011168,410
H2414,98015,16012181,920
H2515,04015,13012181,560
H2615,25015,280
H2715,59015,610
H2816,26016,260
H2916,49016,490
総合計金額531,890

平成20年度~27年度の金額は、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされています。
合計531,890円追納することになります。

損得を計算してみます

この追納で増える老齢基礎年金の額を、平成30年度の老齢基礎年金の額で計算します。
779,300×35/480=56,824円
56,824円÷12=4,735円
1年あたり56,824円、1月あたり4,735円、年金額が増えることになります。

何年でモトがとれるか計算します

531,890÷56,829=9.4年
65+9.4=74.4
65歳支給開始後9.4年、74.4歳でモトがとれることになります。

娘が年金を受け取るようになるときに、65歳から支給されるとは思えませんが…。

追納分は社会保険料控除の対象になります

会社員は年末調整で、自営業の人は確定申告で申告すると、社会保険料控除の対象となり節税できます。

会社員の妻の追納分は、夫の年末調整で申告しても控除対象になります。

1月~9月までに追納すると11月に、10月~12月に追納すると2月に「社会保険料控除証明書」が届きます。それを添えて、年末調整か確定申告をします。

60歳以降に任意加入という方法もあります

60歳以降国民年金の支払い義務はなくなりますが、支給計算月数が480月に足らない場合、65歳前まで、480月になるまで国民年金保険料を支払うことができます。

この任意加入制度を利用して基礎年金保険料を満額に近づけることができます。私自身もこれを利用しています。

60歳からの国民年金任意加入、74.5歳で元がとれお得です
私は60歳までの52ヶ月間、国民年金保険料免除を受けていました。 これについて、保険料をあとから納める追納を検討し、そのメリットに疑問を感じながらも、最終的には追納を実行しました...

また、60歳以降も厚生年金に加入し続けることにより、老齢基礎年金が480月に足りない部分を「経過的加算」で補うことができます。

厚生年金の経過的加算て一体なあに?差額加算ともいう…
これはH26年6月に届いたねんきん定期便です。老齢年金見込額(65歳~)の老齢厚生年金の欄に経過的加算部分として212円と記載されています。 これは平成27年61歳になって特別...

結局はそれぞれの考え次第かと思います

  • 年金制度が信用できない
  • 制度の変更で今後どうなるかわからない
  • お金の余裕がない
  • 別のことに使いたい
  • 自分で運用して増やしたほうがいい
  • 老後の安心はやはり年金だ
  • 金銭的余裕がある
  • できるだけ長生きに備えたい

果たして娘はどうするのでしょうか…

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