保険料免除期間の未納部分は60歳からの任意加入では埋まらない

北アルプス 雲の平より鷲羽岳国民年金保険料免除

老齢基礎年金は、保険料納付済月数が480ヵ月で満額支給となりますが、60歳になった時点で480ヵ月に足りない場合は、60歳から65歳になるまでの間で、任意加入制度で国民年金保険料を納付して480ヵ月に近づけることができます。

ここで、国民年金保険料の申請免除期間がある場合、任意加入制度で480ヵ月に近づけようとしても、申請免除期間の未納部分は任意加入では埋まらないということが起こります。

例えば、全額免除期間が40ヵ月あると保険料を20ヵ月分納付したことになりますが、のこり20ヵ月分は任意加入20ヵ月では埋まりません。

免除期間がある人が任意加入で480ヵ月の満額を目指す場合は注意が必要です。

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保険料免除制度では国庫負担分が納付済みとみなされる

国民年金保険料の申請免除が承認されると、例えば全額免除の場合、免除1月に付き 保険料納付済月数 が1/2月カウントされます。

老齢基礎年金額は、平成21年3月分までは年金額の3分の1、平成21年4月分からは年金額の2分の1が「国庫負担分」として国の税金から補填されています。

申請免除では、その「国庫負担分」に相当する月数に加えて、一部免除の場合の「自己負担分」に相当する月数の合計が納付済月数にカウントされます。

例えば、平成21年4月以降の「4分の3免除」の場合、国庫負担分1/2、自己負担分1/2×1/4,合計5/8に当たる月数が納付済月数にカウントされます。

▼保険料納付月数換算(平成21年4月~)

国庫負担分は480ヵ月までという決まりがあります

国民年金の任意加入では、60歳以降65歳になるまでの5年間で、保険料納付済月数が480月になるまで、保険料を納付することができます。

ただし、保険料免除期間がある場合に任意加入制度を利用すると、保険料を納付した月数と保険料を免除された月数の合計が480月を超える場合があります。

ここで、「国庫負担分は480月まで」という規則があり、480月をはみ出した期間は「国庫負担分」に相当する月数がなくなり、「自己負担分」だけになります。

例えば、3/4免除は480月までは国庫負担分込みで1/2+1/2×1/4=5/8換算されていますが、480月を超えた月数は1/2×1/4=1/8換算になります。

◆免除月数の納付済月数換算

免除区分480ヵ月まで
納付済月数換算
国庫負担分を含む
480ヵ月超
納付済月数換算
自己負担分のみ
全額免除4/80
3/4免除5/81/8
半額免除6/82/8
1/4免除7/83/8

任意加入月数がそのまま納付済月数にならない場合があります

国庫負担は被保険者期間の月数480ヵ月を限度として行われるため、任意加入で保険料を納付しても、納付した月数がそのまま納付済月数に反映されない場合が起こります。

<例1>全額納付400月、全額免除40月で、任意加入60月納付した場合

  • 任意加入前の納付済月数 420月
  • 任意加入後の納付済月数 470月
    (50月しか増えない)

任意加入前は納付済月数が480月に60月足りないので60月任意加入したとします。すると、加入月数が400月+40月+60月=500月となって20月はみ出ることになります。この20月は国庫負担分がなく納付済月数は0月換算になります。

この場合、納付済月数を480月にするためには、任意加入だけなら80月加入しないと満額になりませんが、任意加入は最大5年(60月)ですから、任意加入では満額になりません。

満額にするためには、全額免除40月分を追納し、40月任意加入することになります。結局、保険料を80月分納付することになります。

全額免除40月で付与されている納付済月数20月を活かしたいのなら、40月分任意加入することになります。その場合納付済月数は全部で460月になります。

満額にするためには追納が必須条件になります。

<例2>全額納付400月、半額免除40月で、任意加入50月納付した場合

  • 任意加入前の納付済月数 430月
  • 任意加入後の納付済月数 475月
    (45月しか増えない)

任意加入前は納付済月数が480月に50月足りないので50月任意加入したとします。すると、加入月数が400月+40月+50月=490月となって10月はみ出ることになります。この10月は国庫負担分がなく半額免除の場合2/8換算になり、10×2/8=2.5ヵ月分になります。

追納と任意加入

この場合、納付済月数を480月にするためには、半額免除40ヵ月を追納し、40月任意加入することになります。半額免除の追納は保険料を半額納付するので、40×1/2+40=60月分の保険料を納付することになります。

結局、老齢基礎年金を満額受け取るためには免除期間の追納が必須条件になります。

わたし自身は…

わたしは60歳時点で、申請免除期間が1/4免除が3ヵ月、全額免除期間が49ヵ月ありました。

例えば、全額免除50ヵ月は保険料納付済期間が25ヵ月に換算されるので、当初は「25ヵ月ぐらい任意加入すれば免除期間の未納部分を埋められる」と虫のいい考え方をしていました。

そういう考えはあったものの「やっぱり追納した上で任意加入を利用しよう」ということで追納を優先しました。

その後、「年金アドバイザー3級」の勉強の過程で、このような仕組みになっていることを知りました。

そんな虫のいい話はやはりなかったわけです。