TV朝日 年金の疑問 徹底調査! 検証その5 未納期間がある年金の額は?

北アルプス雲の平 トピックス

テレビ朝日の番組「林修の今知りたいでしょ! 年金の疑問 徹底調査!」という番組を見ました。

番組内では、以下の5つの年金の疑問について解説していました。

  1. 何歳からもらうのが一番得?
  2. 最高で月いくらもらえる?
  3. 払った額を上回るのはいつ?
  4. 年金で足りない人はどうしている?
  5. 未納期間がある年金の額は?
  6. 将来年金はもらえる?

これらの項目について、私なりに検証していきたいと思います。

この記事では「5.未納期間がある年金の額は?」の疑問について検証してみます。

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未納期間がある場合は?という問いに対して…

「未納期間があるがもらえる年金額は?遡って払うことはできる?」ということが取り上げられていました。

ここでの「未納期間」とは、国民年金保険料を自分で支払う必要がある学生、自営業者などの国民年金第1号被保険者として未納期間のことになります。

厚生年金に加入している第2号被保険者とその配偶者の第3号被保険者としての期間については、未納期間は発生しません。

番組では、以下の声が取り上げられていました。

29歳男性「学生時代年金の免除期間があって、払い直しをしなくても年金がもらえるのか。」

55歳男性「学生時代2年間未納期間があって、それを後で気づいて問い合わせをしたら、今は払えませんと言われた。全部の年金を払い終わったら受け付けますと言われた」

国民年金1階部分の老齢基礎年金の支給額の算出式は以下の通りです。

  • 老齢基礎年金
    =満額×保険料納付済み月数/480月
    令和5年満額:795,000円(新規裁定年金)

国民年金保険料の未納期間がある場合、老齢基礎年金は満額になりません。

国民年金は2年以内なら納めることができる

国民年金保険料は、納付期限から2年以内であれば納めることができます。

納付期限から2年を過ぎると、時効により納めることができなくなります。

2年以上はダメな理由について、解説の飯田泰之氏は以下のように説明しています。

「年金は保険だということ。事故を起こしてから自動車保険に入るようなもの。」

全額払い切るまで待ってください?

55歳男性が「全部の年金を払い終わったら受け付けると言われた」ことについて、飯田氏は以下のように解説しています。

「これは私の想像なんですが、加入期間60いくつまでずっと継続で働くと、加入に十分な期間払ったことになるので、大丈夫というと変なんですけど『ほぼ変わりません』というニュアンスだと考えられます。」

画面には小さい文字で「未納分は60歳以降任意加入で年金額を増やすことも可能」とのテロップが出ていました。

ここでは、やはり「国民年金の任意加入制度」をしっかりと説明するべきではないかと思います。

国民年金の任意加入制度について

60歳の誕生日を迎えた時点で国民年金の加入義務はなくなりますが、学生時代やその他の期間に未納があり40年(480月)の納付済み期間を満たしていない場合、60歳以上65歳未満の間、任意で国民年金保険料を納付することができます。

任意加入する条件
次の1.~4.のすべての条件を満たす方が任意加入することができます。

  1. 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
  2. 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
  3. 20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
  4. 厚生年金保険、共済組合等に加入していない方

60歳以降、納付済月数が40年(480ヵ月)になるまで、最大5年(60ヵ月)分の国民年金保険料を納付することができます。

厚生年金の経過的加算

60歳以降で厚生年金に加入している場合、任意加入制度は利用できませんが、厚生年金には「経過的加算」という制度があります。

20歳未満や60歳以降に厚生年金保険に加入していた場合に、老齢厚生年金に上乗せして老齢基礎年金相当の金額が支払われます。

国民年金の加入期間は20歳以上60歳未満なので、20歳未満や60歳以降に厚生年金に加入しても、それによって国民年金の納付済月数を増やすことはできません。

ただ、国民年金の納付済月数が480月に満たない場合、20歳未満や60歳以降の厚生年金加入月数により、老齢基礎年金相当の金額が、老齢厚生年金に上乗せして支払われます。

例えば、20歳から21歳の2年(24ヵ月)未納期間があり、22歳以降62歳未満で厚生年金に加入していた場合、国民年金の納付済み期間は22歳から60歳未満の38年(456ヵ月)となり老齢基礎年金は満額になりませんが、厚生年金の経過的加算で60歳以降62歳未満2年(24ヵ月)分の老齢基礎年金相当の金額が支払われます。

ただし、経過的加算は国民年金納付済み月数と合わせて480カ月を超えて支払われません。

上の例では、62歳以降厚生年金に加入しても経過的加算の金額を増やすことはできません。ただし、報酬比例額は増えることになります。

学生納付特例制度

1991年4月から学生にも国民年金への加入が義務付けられました。

さらに、2000年4月から「学生納付特例制度」が設けら、申請により在学中の保険料の納付が猶予されることになりました。

猶予期間については、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)に含まれますが、40年(480ヵ月)で老齢基礎年金が満額となる保険料納付月数には算入されません。

通常の納付期限は2年ですが、「猶予」された保険料は10年後まで「追納」できます。

番組に取り上げられた問いに対する答えは…

29歳男性「学生時代年金の免除期間があって、払い直しをしなくても年金がもらえるのか。」

答え)学生納付特例を申請して免除が認められていた場合は、10年経っていないので、今からでも未納期間分の保険料を「追納」することができます。追納しない限り老齢基礎年金は満額になりません。ただし、60歳以降の任意加入または経過的加算で満額にすることはできます。

55歳男性「学生時代2年間未納期間があって、それを後で気づいて問い合わせをしたら、今は払えませんと言われた。全部の年金を払い終わったら受け付けますと言われた」

答え)60歳以降厚生年金に2年間加入すると、経過的加算として学生時代2年間の未納分の老齢基礎年金相当額が支払われます。また、厚生年金に加入していない場合も60歳以降の任意加入で国民年金保険料を2年分支払うことにより老齢基礎年金を満額にすることができます。

参考サイト

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