【2026年度版】厚労省発表の基礎年金額を実際に算出してみました

南アルプス百閒平より赤石岳 年金額年度改定
南アルプス百閒平より赤石岳

令和8年1月23日に令和8年度の年金額が厚労省より公表されました。

65歳から支給される年金を新規裁定年金、68歳になる年度から支給される年金を既裁定年金といいます。

1階部分にあたる基礎年金についてはいずれも令和7年度から 1.9%の引上げとなります。

この記事では、今回発表された老齢基礎年金の金額を算出して確かめてみます。

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老齢基礎年金満額(月額)

国民年金に40年加入し保険料納付済み月数が480ヶ月の場合の老齢基礎年金の満額支給額は以下のとおりです。

  • 新規裁定者
    65~67歳 70,608円(+1,300円)
  • 既裁定者
    68~70歳 70,608円(+1,300円)
    71歳以上 70,408円(+1,300円)

基礎年金額決定の仕組み、既裁定年金が年齢によって違いがある理由を、実際に年金額を算出して確かめてみます。

基礎年金額の年度改定の仕組み

基礎年金額(満額)は、平成16年に定められた年金額780,900円に「当年度基礎年金改定率」を乗じて算出します。

「当年度基礎年金改定率」は、「前年度基礎年金改定率」に毎年決定する「年金改定率」を乗じて算出します。

  • 基礎年金額(年額・満額)
    =780,900×当年度基礎年金改定率
  • 当年度基礎年金改定率
    =前年度基礎年金改定率×年金改定率

令和8年度の年金改定率

65歳から支給される新規裁定年金は賃金変動率ベースで、68歳になる年度から支給される既裁定年金は物価変動率ベースで改定するのが原則ですが、賃金変動率が物価変動率を下回る場合は、現役世代の負担を考慮して、既裁定年金も賃金変動率ベースで改定することになります。

令和8年度は賃金変動率が物価変動率を下回り、両裁定年金とも、賃金変動率+2.1%をベースに改定されることになりました。

さらにマクロ経済スライド調整-0.2%が適用され、令和8年度の年金改定率は両裁定年金とも+1.9%になりました。

令和8年度 新規裁定 基礎年金額

  • 令和7年度基礎年金改定率:1.065
  • 令和7年度年金改定率:+1.9%(1.019)
  • 令和8年度基礎年金改定率
    1.065×1.019=1.085
  • 令和8年度基礎年金額(年額)
    780,900×1.085=847,300円
    (100円未満四捨五入)
  • 令和8年度基礎年金額(月額)
    847,300÷12=70,608円
    (1円未満切り捨て、ただし切り捨て分については2月に合計額が加算される)

既裁定年金が年齢により異なる理由

68歳になる年度からは既裁定年金が支給されることになりますが、令和8年度に68歳~70歳になる人は新規裁定年金と同額の月額70,608円になり、71歳以上になる人は月額70,408円になります。

これは、令和5年度の年金改定率が新規裁定年金と既裁定年金で異なることによります。

令和5年度の年金改定率

令和5年度、賃金変動率が物価変動率を上回り、新規裁定年金が賃金変動率+2.8%をベースに、既裁定年金が物価変動率+2.5%をベースに改定され、マクロ経済スライド-0.6%も適用されました。

  • 新規裁定年金
    (+2.8%)+(-0.6%)=+2.2%…1.022
  • 既裁定年金
    (+2.5%)+(-0.6%)=+1.9%…1.019

年金改定率は、令和4年度以前、令和6年度以降、両裁定年金とも同じ値ですが、令和5年度だけ異なっています。

令和5年度の基礎年金改定率

令和4年度の基礎年金改定率は0.996で、これに上記年金改定率を乗じて令和5年度の基礎年金改定率が算出されました。

  • 令和5年度基礎年金改定率
    65・66・67歳:0.996×1.022=1.018
    68歳~    :0.996×1.019=1.015

令和5年度(2023年度)67歳になる人は1956年度に生まれた人で、令和5年度68歳になる人は1955年度に生まれた人です。

基礎年金改定率は上記の数値を受けて改定されるので、令和6年度以降も1955年度以前に生まれた人と1956年度以降に生まれた人で基礎年金額が異なることになりました。

今年度は70歳以下と71歳以上で異なる

令和8年度(2026年度)、1955年度生まれの人は71歳に、1956年度生まれの人は70歳になります。

これにより、既裁定年金であっても、70歳以下と71歳以上で金額の違いが生じています。

基礎年金額改定の推移(令和3年度~)

年度(前基改)前年度基礎年金改定率
(当年改)当年度年金改定率
(当基改)当年度基礎年金改定率
(年額)基礎年金年額
(月額)基礎年金月額
令和03年
(2021)
65歳~
(前基改)1.001(当年改)0.999
(当基改)1.001×0.999=1.000
(年額)780,900×1.000=780,900円
(月額)65,075円
令和04年
(2022)
65歳~
(前基改)1.000(当年改)0.996
(当基改)1.000×0.996=0.996
(年額)780,900×0.996=777,800円
(月額)64,816円
令和05年
(2023)
65~67歳
(前基改)0.996(当年改)1.022
(当基改)0.996×1.022=1.018
(年額)780,900×1.018=795,000円
(月額)66,250円
令和05年
(2023)
68歳~
(前基改)0.996(当年改)1.019
(当基改)0.996×1.019=1.015
(年額)780,900×1.015=792,600円
(月額)66,050円
令和06年
(2024)
65~68歳
(前基改)1.018(当年改)1.027
(当基改)1.018×1.027=1.045
(年額)780,900×1.045=816,000円
(月額)68,000円
令和06年
(2024)
69歳~
(前基改)1.015(当年改)1.027
(当基改)1.015×1.027=1.042
(年額)780,900×1.042=813,700円
(月額)67,808円
令和07年
(2025)
65~69歳
(前基改)1.045(当年改)1.019
(当基改)1.045×1.019=1.065
(年額)780,900×1.065=831,700円
(月額)69,308円
令和07年
(2025)
70歳~
(前基改)1.042(当年改)1.019
(当基改)1.042×1.019=1.062
(年額)780,900×1.062=829,300円
(月額)69,108円
令和08年
(2026)
65~70歳
(前基改)1.062(当年改)1.019
(当基改)1.065×1.019=1.085
(年額)780,900×1.085=847,300円
(月額)70,608円
令和08年
(2026)
71歳~
(前基改)1.042(当年改)1.019
(当基改)1.062×1.019=1.082
(年額)780,900×1.082=844,900円
(月額)70,408円

まとめ

基礎年金の満額金額は生まれた年度により異なります。

1955年度以前生まれの人は、1956年度以降生まれの人より月額200円程度少ない金額が続くことになります。

私は1954年度生まれなので、ずっとこの平成5年度の影響を受け続けることになります。