65歳からどうなる?年金受給者の個人住民税(令和2年度まで)

南アルプス空木岳駒峰ヒュッテ社会保険と税金
南アルプス空木岳駒峰ヒュッテ

私は61歳から特別支給の老齢厚生年金を受給していますが、2019年8月に65歳になり、老齢厚生年金の本来支給が始まりました。

個人住民税は介護保険料や健康保険料とともに年金の支払いから天引き徴収になります。

個人住民税の算出方法、徴収方法などを調べました。

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個人住民税の課税の仕組み

個人住民税は個人にかかる税金です。一人ひとりの収入で算出します。

都道府県民税と市区町村民税の合計金額になります。

前年の収入により算出し、前年度分の個人住民税として6月に金額が確定します。

均等割と所得割

個人住民税は、1人当たりの一定額の均等割と所得に比例する所得割の合計金額になります。

税額・税率の標準値は以下のようになっていますが、自治体によっては税額・税率が異なる場合があります。

個人住民税 均等割  所得割 
都道府県民税1,500円4.0%
市区町村民税3,500円6.0%
合計5,000円10.0%
  • 個人住民税
    =5,000円+課税標準額×10%-調整控除※

(※)調整控除とは

平成19年に所得税の税率を下げて住民税の税率を上げる「税源移譲」が行われました。その際、住民税の基礎控除・配偶者控除などの人的控除額が所得税より少額になります。 例えば、基礎控除額は住民税33万円、所得税38万円で5万円の差があります。

単純に所得税をマイナス5%、住民税をプラス5%にすると住民税の課税標準額の方が大きいので税負担が増えることになってしまいます。その税負担を調整するため、「調整控除額」が考慮されています。

年金受給者の個人住民税

公的年金の収入は公的年金等控除を差し引いて所得(雑所得)とします。さらに所得控除を差し引いて課税標準額とします。

この課税標準額は所得税でいうところの「課税所得」にあたり、これをもとに住民税の所得割を算出します。

  • 課税標準額
     
    =公的年金収入
      -公的年金等控除-所得控除

公的年金等控除額・所得控除

公的年金等
収入額
公的年金等控除額
65歳以上の場合
120万円まで収入金額全額(税額0円)
120万円超
330万円未満
120万円
330万円以上
410万円未満
収入金額×0.25+37.5万円
410万円以上
770万円未満
収入金額×0.15+78.5万円
770万円以上収入金額×0.05+155.5万円
所得控除の種類  金額  
基礎控除33万円
配偶者控除33万円
扶養控除33万円
社会保険料控除実費
※所得税の所得控除額とは異なります。

夫婦二人世帯の夫の年金収入の場合

夫婦二人世帯で夫の年金が120万円超330万円未満の場合

  • 課税標準額
    =公的年金収入
     -公的年金等控除額(120万)
     -基礎控除(33万)
     -配偶者控除(33万)
     -その他の所得控除
    =公的年金収入
     -186万
     -その他の所得控除
  • 個人住民税
    =5,000円+課税標準額×10%-調整控除

個人住民税の非課税基準

住民税の所得割を課税する場合は「課税標準額」を用いますが、住民税の非課税は基礎控除などの所得控除を引く前の「年金所得」で判断します。

「均等割額」と「所得割額」のそれぞれに非課税になる基準があります。

均等割非課税の所得金額(上限)

  • 扶養親族なし:35万
  • 扶養親族あり:
    35万円×(扶養親族の数+1)+21万円

所得割非課税の所得金額(上限)

  • 扶養親族なし:35万
  • 扶養親族あり:35万円×(扶養親族の数+1)+32万円

均等割の非課税基準の方が低いので、所得金額が均等割の非課税基準以下であれば住民税が非課税になります。

配偶者・扶養親族住民税非課税
所得金額
配偶者なし・扶養親族なし35万円
配偶者あり・扶養親族なし91万円
配偶者あり・扶養親族1人126万円
配偶者あり・扶養親族2人161万円

なお、上記の金額は生活保護基準1級地の金額です。2級地、3級地は金額が少なくなります。詳細は以下の記事を御覧ください。

65歳からどうなる?年金受給者の住民税非課税211万円の壁とは…
私は61歳から特別支給の老齢厚生年金を受給していますが、2019年8月に65歳になり、いよいよ老齢厚生年金の本来支給が始まります。ところが年金収入には「211万円の壁」があるという...

個人住民税の納税方法

4月1日現在において、65歳以上で対象年の年金支払額が、年額18万円以上であるとき、偶数月の年金支払額から天引き徴収(特別徴収)されます。

  • 普通徴収…納付書による納付
  • 特別徴収…年金から天引き

特別徴収の例

初めて特別徴収が始まる年度

6月・8月10月・12月・2月
普通徴収特別徴収
年税額の1/4ずつ年税額の1/6ずつ

前年度から引き続き特別徴収する年度

4月・6月・8月10月・12月・2月
特別徴収特別徴収
仮徴収
前年額の半額の1/3ずつ
残額の1/3ずつ

※徴収方法は自治体により異なります

令和2年の税制改正について

令和2年度の住民税は、前年度の収入に対して上記の算出方法が適用されますが、令和2年の税制改正により、令和3年度の住民税より公的年金控除が一律10万円引き下げられます。

ただし、基礎控除額が10万円引き上げられるので、高額所得者を除き影響はないと思われます。

詳細は下記の記事を参照してください。

令和2年から公的年金等控除額が10万円引き下げられます、所得は?211万円の壁は?
令和2年から、給与所得控除や公的年金等控除の金額が、一律10万円引き下げられます。その結果、控除額を差し引いた給与所得、年金所得(雑所得)は一律10万円増えることになります。結論か...