65歳からどうなる?年金受給者の国民健康保険

北アルプス槍ヶ岳遠望 社会保険と税金
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私は61歳から「特別支給の老齢厚生年金」を受給していますが、2019年8月に65歳になり、老齢厚生年金の本格支給が始まります。

65歳からの国民健康保険の内容がどうなるのか調べてみました。

年金からの特別徴収

国民健康保険料(75歳から後期高齢者医療制度保険料)、介護保険料、個人住民税は、年金の支給額から天引きして徴収されます。

特別徴収の対象者

  • 当該年の4月1日現在において、65歳以上であること。
  • 当該年の4月1日現在において、特別徴収の対象年の支払額が、年額18万円以上であること。
私の場合は…
2019年8月で65歳になる私は、2020年4月の時点で特別徴収の対象者になります。国民健康保険と介護保険は4月の年金支給分から、個人住民税は10月の年金支給分から、特別徴収が始まるようです。

65歳から介護保険料が分離されます

65歳になると介護保険の被保険者資格が2号から1号になり、国民健康保険料に含まれていた介護分が世帯負担から切り離され、「介護保険料」として個人負担になります。

介護保険第1号被保険者(65歳以上)
原因を問わず、要介護、あるいは、要支援状態と認定されると介護サービスを受けらる

介護保険第2号被保険者(40歳から64歳まで)
末期ガンや関節リウマチといった、加齢を原因とする病気が原因で要介護状態になったときに限り介護サービスを受けらる

国民健康保険料の内訳

40歳から64歳の方がいる世帯

  • ①医療分
  • ②後期高齢者支援分
  • ③介護分(40歳~64歳の方だけ)

65歳から74歳の方の世帯

  • ①医療分
  • ②後期高齢者支援分

75歳以上の方
国民健康保険から離れ「後期高齢者医療制度」に加入します。

私の場合は…
2018年8月で65歳になりますが、妻はまだ60歳なので、①②③の負担が続きます。さらに私の分の「介護保険料」の負担が始まることになります。私が75歳になると妻だけが国民健康保険に残り①②を負担し、私は「後期高齢者医療制度」に加入することになります。

国民健康保険料の算出方法

医療分・後期高齢者支援分・介護保険分、いずれも、所得割、均等割、平等割に分けて計算します。

賦課項目

  • 所得割
    世帯の総所得に応じて一定割合で発生する部分
  • 均等割
    加入者1人に対して定額でかかる部分
  • 平等割
    1世帯に定額でかかる部分、付加しない自治体もあり
  • 資産割
    固定資産税の課税対象者にかかる部分、廃止する自治体が増えている

算出方法の例

  • 札幌市 :所得割、均等割、平等割
  • 世田谷区:所得割、均等割
  • 大阪市 :所得割、均等割、平等割
  • 名古屋市:所得割、均等割
  • 福岡市 :所得割、均等割、平等割

大阪市の例(2018年度)

\賦課項目
内訳\
所得割均等割平等割
算出式基準額
×割合
均等割額/人
×人数
1世帯
あたり
①医療分8.19%21,362円/人30,964円
②支援分2.99%7,822円/人11,338円
③介護分2.69%9,795円/人7,874円

40歳~64歳の方がいる世帯………①+②+③
40歳~64歳の方がいない世帯……①+②

所得割に用いる「所得基準額」とは

所得基準額の算出方法

  • 給与所得の場合
    給与収入-給与所得控除-基礎控除(33万円)
  • 年金所得の場合
    年金収入-年金所得控除-基礎控除(33万円)
  • 事業所得の場合
    事業収入-必要経費-基礎控除(33万円)

複数の所得がある場合、基礎控除額(33万円)は一度だけ引くことができます。

世帯の中の一人ひとりの所得基準額を出しそれを合計します。

公的年金の年金所得控除

公的年金等の収入額公的年金等控除額
120万円まで税額0円
120万円超
330万円未満
120万円
330万円以上
410万円未満
収入金額×0.25+37.5万円
410万円以上
770万円未満
収入金額×0.15+78.5万円
770万円以上収入金額×0.05+155.5万円

私と妻の二人世帯の場合は…
私の65歳からの年金収入は、配偶者加給を含め206万円程度になります。私の所得基準額は206万-120万-33万=53万円程度になると考えられます。妻は現在収入がありませんが、仮にパートの給与収入がある場合、収入が98万円までは妻の所得基準額は0円になります。(給与所得控除65万円+33万=98万円)

軽減措置があります

世帯の所得の合計が基準以下の場合に、均等割額と平等割額の一定割合を減額し、保険料負担を軽減するものです。

軽減の割合は、世帯の所得の合計に応じて7割軽減・5割軽減・2割軽減があります。

軽減判定基準額

軽減判定基準額は、所得割の算出に用いる「所得基準額」とは異なり、基礎控除額(33万)を差し引く前の所得で判定します。

公的年金収入だけ場合の軽減判定基準額は、「年金所得=年金収入-公的年金等控除額」になります。

さらに、前年12月31日において65歳以上の公的年金受給者は、さらに15万円を差し引きます。

すなわち「軽減判定基準額=年金収入-公的年金控除額-15万円」になります。

軽減
割合
基準額の合計2人世帯
7割軽減33万円 以下33万円以下
5割軽減33万円
28万円×世帯人数
 以下
89万円以下
2割軽減33万円
51万円×世帯人数
 以下
135万円以下
赤字:平成31年度(令和元年度)改定

私と妻の二人世帯の場合は…
私の65歳からの年金収入は、配偶者加給を含め206万円程度になり、軽減判定基準額は、206万-120万-15万=71万円程度になります。妻は現在収入がなく、二人の軽減判定基準額の合計は89万円以下になるので「5割軽減」になります。仮に、妻がパートをして給与収入が65万+(89万-71万)=83万円を超えたら、軽減判定基準額の二人の合計が89万円をこえるので「2割軽減」になる計算です。

私の65歳からの国民健康保険料は…

私は関西の某市の住民です。

私が65歳、妻が60歳として国民健康保険料を計算してみました。

妻はまだ64歳以下なので「介護分」が妻1人分となって残ります。

私の年金収入は206万円、妻の収入はナシとします。

所得割所得基準額
=206万-120万-33万
=53万円

軽減判定基準額
=206万-120万-15万
=71万円
→5割軽減

内訳賦課項目本来額軽減率軽減額
医療分所得割42,29442,294
均等割17,9920.58,996
平等割43,2380.521,619
支援分所得割14,25714,257
均等割7,8000.53,900
平等割18,7460.59,373
介護分所得割12,29612,296
均等割4,9890.52,495
平等割11,9340.55,967
合計173,546121,197
※実際には端数処理があります

私の65歳からの国民健康保険料は、5割軽減で年間約12万円、1ヵ月約1万円程度になります。

さらに私の「介護保険料」が加わることになります。