PRESIDENT Online で、横山光昭氏の『年金受給額を増やすための4つの方法』という記事がありました。
以下の4つの方法が紹介されています
- 任意加入で未納期間をカバー
- 厚生年金がもらえる働き方を選ぶ
- 自営業なら「付加年金」を活用する
- 自営業なら「国民年金基金」の加入を検討
詳しい内容は記事をご覧いただくとして、ここでは私自身が年金を増やした方法を紹介します。
保険料追納と任意加入制度を利用しました
55歳で会社を早期退職したのち、職業訓練校に1年通い、その後、細々と自営業を始めました。
退職した次の月から国民年金保険料を納付する必要があります。
職業訓練校に通っている間は失業保険が出るので保険料を納めていましたが、その後は収入がほぼなくなり、その時点から国民年金保険料免除制度を利用しました。
保険料は60歳誕生日の前月まで納付する義務がありますが、その月まで免除制度を利用しました。
60歳になって改めて気づいたことですが、20歳代の未納期間と保険料免除期間により、老齢基礎年金については満額受給に遠く足りませんでした。
満額に近づけるため、免除保険料の追納と任意加入制度を利用しました。
免除保険料を追納
老齢基礎年金は、保険料納付済み月数480ヵ月で満額(令和4年度777,800円)支給されます。
保険料免除には以下の4種類があり、一定の割合で保険料納付済み月数に換算されます。
▼保険料納付済月数換算表
免除の種類 | 納付済月数換算 1月につき |
---|---|
全額免除 | 4/8月 |
3/4免除(1/4納付) | 5/8月 |
1/2免除(1/2納付) | 6/8月 |
1/4免除(3/4納付) | 7/8月 |
私の免除期間は、1/4免除…3ヵ月、全額免除…49ヵ月となっていました。
▼追納前と追納後の納付済み月数
免除の種類 | 免除 月数 | 追納前 換算 月数 | 追納後 納付 月数 | 追納金額 |
---|---|---|---|---|
1/4免除 | 3 | 2.625 | 3 | 11,490 |
全額免除 | 49 | 24.5 | 49 | 740,860 |
合計 | 52 | 27.125 | 52 | 752,350 |
追納で752,350円を納付しました。妻の分も追納したので約150万円の出費になりました。
追納することによって、増える年金額は、令和4年度の満額基礎年金額で計算すると
- 増加する納付済み月数
52-27.125=24.875ヵ月 - 増加する年金額(年額)
777,800×24.875/480=40,308円 - モトが取れる年数
752,350円÷40,308円=18.7年 - モトが取れる年齢(65歳受給開始として)
65歳+18.7年=83.7歳
84歳まで生きたらもとが取れることになります。
私の場合は保険料免除は受けるべきでなかった…
保険料免除制度は、保険料を納付しなくても納付済み月数がカウントされるとてもありがたい制度です。
ただし、私の場合は預金等の余裕があり、納付しようと思えば納付できました。
当時納付すれば前納制度も利用できました。オトクな付加年金も上乗せできます。
追納では、3年度目以降に追納する場合に加算額が上乗せされます。
のちに追納するのであれば、免除制度を利用せず納付すべきだったと思っています。
もっと詳しく
任意加入しました
国民年金保険料の納付義務は60歳誕生日の前月までで終了しますが、その時点で納付済み月数が480ヵ月に満たない場合は、任意加入制度で引き続き保険料を納付することができます。
▼国民年金任意加入制度
- 厚生年金・共済組合等に加入していないこと
- 60歳以降の申出があった月以降から65歳まで加入できる
- さかのぼって加入はできない
- 口座振替が原則
- 納付月数が480月になるまで納付できる
- 前納制度を利用した一括納付もできる
私は、20歳代の未納期間が7年弱もあり、任意加入制度を利用しました。60歳から5年間任意加入しても、満額には満たない状況でした。
この制度に気付いたのは60歳の誕生日後しばらくたってからでした。溯っての納付ができないので3ヵ月の穴ができ、実際納付できたのは57ヵ月でした。
任意加入の損得
令和4年度の国民年金保険料と基礎年金額で任意加入の損得を計算してみます。
- 国民年金保険料 16,590円/月
- 基礎年金満額 777,800円/年
- 任意加入 Mヵ月
保険料=16,590×M
増える年金額=777,800×M/480 - モトが取れる年数
(16,590×M)÷(777,800×M/480)
=16,590÷(777,800/480)
=10.2 - モトが取れる年齢
65歳+10.2年=75.2歳
国民年金任意加入制度は、60歳時点で厚生年金に加入しておらず、保険料納付済み月数が480ヵ月に満たない場合は、ぜひ利用したい制度になります。
付加年金も上乗せしました
国民年金第1号被保険者ならびに任意加入被保険者は、国民年金保険料に付加保険料を上乗せして納めることで年金額を増やすことができます。
月々400円を保険料に上乗せ納付することで、年金額は年額「200円×付加保険料納付月数」だけ増えることになります。
何年でモトが取れるか計算します。
- 付加保険料 Aヵ月納付
- 保険料合計 400×A(円)
- 付加年金額 200×A(円)
- (400×A)÷(200×A)=2年
金額的にはそれほど大きくはありませんが、納付した保険料を2年で取り返すことができます。大変お得な制度です。
私は、任意加入した57ヵ月付加保険料を納付したので、200円×57=11,400円付加年金を受給しています。
保険料免除を利用せず通常通り国民年金保険料を納付して付加保険料を上乗せしていれば、さらに200円×52=10,400円上乗せできたことになります。
まとめ
60歳以降で年金を増やす一番いい方法は、厚生年金に加入し続けることです。
私は個人事業主になったので、国民年金保険料の追納、任意加入、付加年金を利用しました。
妻の分もあるので大きな負担になりました。
モトが取れるのは、65歳受給開始として、
- 免除保険料追納…19年(84歳)
- 任意加入…10年(75歳)
- 付加年金…2年(67歳)
せいぜい長生きしたいと思います。