厚生年金の報酬比例部分を算出する表計算シート「2024年度分」を作成しました。
過去の標準報酬額を入力することで厚生年金報酬比例額を正確に算出することができます。
ぜひ、ダウンロードして活用してみてください。
再評価率の改定
厚生年金報酬比例部分を算出する場合、過去の標準報酬額に報酬年度毎の「再評価率」を乗じて再評価します。
各年度報酬額×再評価率=再評価報酬額
「再評価率」は毎年度「年金改定率」により改定され、今年も4月1日に令和6年度の「再評価率」が公表されました。
65歳から支給される年金を新規裁定年金、68歳になる年度から支給される年金を既裁定年金といいます。
令和6年度の年金改定率は両裁定年金とも+2.7%になります。
昨年度再評価率×1.027=今年度再評価率
今年度68歳になる人は既裁定年金ですが…
令和4年度までは両裁定年金とも同じ改定率で推移していましたが、令和5年度は、新規裁定年金の改定率が+2.2%、既裁定年金の改定率が+1.9%になり、「再評価率」が異なっていました。
今年68歳になる人は既裁定年金を受給することになりますが、昨年度67歳の新規裁定年金の再評価率を受けて+2.7%に改定されるので、令和6年度は、既裁定年金にもかかわらず、新規裁定年金とおなじ再評価率になります。
▼再評価率の推移(一部)
報酬 年度 | 令和5年度 再評価率 | 令和6年度 再評価率 |
---|---|---|
平成 12年度 | 新(65歳~):0.986 既(68歳~):0.983 | 新(65歳~) :0.986×1.027=1.013 既(68歳) :0.986×1.027=1.013 既(69歳~) :0.983×1.027=1.010 |
平成 13年度 | 新(65歳~):0.985 既(68歳~):0.982 | 新(65歳~) :0.985×1.027=1.012 既(68歳) :0.985×1.027=1.012 既(69歳~) :0.982×1.027=1.009 |
平成 14年度 | 新(65歳~):0.991 既(68歳~):0.988 | 新(65歳~) :0.991×1.027=1.018 既(68歳) :0.991×1.027=1.018 既(69歳~) :0.988×1.027=1.015 |
厚生年金の報酬比例額は2通りの計算方法があります
老齢厚生年金の報酬比例部分は「本来水準年金額」と「従前額保障年金額」の2通りの計算方法があります。
文字通り本来の支給額は「本来水準年金額」ですが、「従前額保障年金額」が上回る場合はそちらの金額が支給されます。
平成15年度より賞与額を含めて計算する「総報酬制」が導入されたので、その前後で乗数が変わっています。
従前額保障の従前額改定率について
「本来水準の年金額」は今年度改定された再評価率を用いて計算されますが、「従前額保障の年金額」は、平成6年の再評価率で計算された金額に「従前額改定率」を乗じて計算されます。
令和6年度の「従前額改定率」は、令和5年度の1.014を年金改定率+2.7%で改定して、1.014×1.027=1.041になりました。
表計算シートのイメージ
わたし自身の令和6年度の報酬比例額を算出した計算シートのイメージです。
- 本来水準(69歳以上) 963,212円
- 従前額保障 970,616円
計算の結果、従前額保障の年金額が支給されることになります。
入力方法
59歳時点のねんきん定期便
毎年の誕生月に「ねんきん定期便」が送られてきますが、59歳時点のねんきん定期便にはそれまでのすべての月別の標準報酬額・標準賞与額が記載されています。
これを入力することにより、その時点の厚生年金の報酬比例部分を算出することができます。
▼59歳時 ねんきん定期便
「ねんきんネット」にログインして月別の報酬額を調べることもできますが、一覧表になっていないので、全てを調べるのは大変です。
入力例
わたし自身の59歳時ねんきん定期便の一部です。
標準報酬額の千の位より上を入力してください(500,000円→500)
平成15年度からは総報酬制が導入されました。賞与月は、標準報酬月額と標準賞与額の合計を入力してください。(赤字)
年度 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
---|---|---|---|---|
平成13年 | 500 | 500 | 500 | 500 |
平成14年 | 500 | 500 | 500 | 500 |
平成15年 | 500 | 500 | 500 | 1100 |
平成16年 | 500 | 500 | 500 | 950 |
こちらからダウンロードしてください
▼厚生年金報酬比例額計算表 令和6年度
新規裁定年金・既裁定年金とも
LibreOffice Calc odsファイル
厚生年金報酬比例額計算表 令和6年度
MicrosoftOfficeでも開けると思いますが、未確認です。
無料のオフィスソフト LibreOffice
ワードプロセッサのWriter、表計算アプリケーションのCalc、プレゼンテーションエンジンのImpressなどがすべて無料で使えます。
私は、会社勤務の時は当然のようにMicrosoftOfficeを使ていましたが、いまはLibreOfficeをほぼ問題なく使っています。
不具合等あればメッセージください
自分の年金記録で確かめておりますが、万一数字間違い、不具合等あれば、メッセージからご連絡、お問い合わせください。