自身の報酬額全記録から厚生年金の本来水準と従前額保障の2通りの年金額を計算しました

南アルプス空木岳駒峰ヒュッテ厚生年金
南アルプス空木岳駒峰ヒュッテ

私は2015年9月から特別支給の老齢厚生年金を受給しています。この特別支給の年金は、老齢厚生年金の報酬比例部分が支給されます。

報酬比例部分の計算には、本来水準・従前額保障の2通りの方法があります。

私の場合は従前額保障の年金額であることを、以下の記事の中で確かめました。

特別支給の老齢厚生年金の支給額を自分で計算してみました
1954年(昭和29年)8月生まれの私の場合、61歳の誕生日の翌月すなわち2015年9月から特別支給の老齢厚生年金を受給しています。この特別支給の年金は、老齢厚生年金の報酬比例部分...

そもそも、本来水準の年金額と従前額保障の年金額では、それぞれの算出のもとになる平均標準報酬(月)額の求め方に違いがあります。

それぞれの平均標準報酬(月)額を求め、年金額を算出してみました。

ねんきん定期便に私のすべての報酬額が記載してありました

ねんきん定期便報酬額

私は平成20年2月に早期退職しており、平成24年6月に届いた「ねんきん定期便」には、私の厚生年金保険のすべての報酬額と納付金額が記載されていました。これがその一部です。

各欄の1段目が報酬月額、2段目が賞与、3段目が保険料納付分です。各年度4月分~7月分が写っています。平成15年より7月分に賞与が含まれています。

平成15年度より、報酬額に賞与を含めるようになり、平均標準報酬月額から平均標準報酬額に言葉が変わりました。年金額を算出するときの乗数も両者を区別して、数値が変わっています。

報酬額の全記録

これは私の28年間の標準報酬額の全記録です。

報酬額全記録

平均標準報酬(月)額を求めるポイントは再評価率にあり

年金額算出の元になる平均標準報酬(月)額を求めとき、一番のポイントとなるのが再評価率です。

平成10年の1万円と平成20年の1万円と平成30年の1万円では当然その価値に違いがあります。平均標準報酬(月)額を求める際、その貨幣価値の違いを考慮して、年度ごとに再評価率を掛けて報酬額を修正します。

ここで注意することは、本来水準の年金額を求めるときと従前額保障の年金額を求めるときでは、異なった再評価率を用いているということです。

本来水準の年金額を求めるとき
実際の報酬額→その年度で定めた再評価率→平均標準報酬(月)額→本来水準年金額

従前額保障の年金額を求めるとき
実際の報酬額→平成6年の再評価率→平均標準報酬(月)額→従前額保障年金額

再評価報酬額と報酬額の合計を求めました

従前額保障の年金額の方から求めてみます

この年金証書の年金額は「従前額保障の年金額」で、ここに記載のある平均標準報酬(月)額は従前額保障の年金額を求めるための数値です。これを確かめてみます。

年金証書""

H15年3月までの平均標準報酬月額

再評価率はH6年度の数値を使います。
S60年度とH1年度は年度の途中で再評価率が変更されています。

  • 報酬額合計=99,620,060円
  • 月数=263月
  • 平均標準報酬月額
    =99,620,060円÷263月
    378,783円

H15年4月以降の平均標準報酬額

  • 報酬額合計=32,109,290円
  • 月数=71月
  • 平均標準報酬月額
    =32,109,290円÷71月
    452,244円

年金証書どおりの数値が求まりました

H15年3月のまで平均標準報酬月額とH15年4月以降の平均標準報酬額の両方とも、年金証書の提示どおり求まりました。

従前額保障の年金額の計算は以下のようになります。

$$\small{378,783円}\times{\frac{7.500}{1000}}\times{263月}=747,149円$$ $$\small{452,244円}\times{\frac{5.769}{1000}}\times{71月}=185,239円$$ $$\small(747,149円+185,239円)\times0.998=930,523円$$

0.998は平成27年度の従前額改定率です。

平成27年度の年金額は100円未満を四捨五入となっていました。

年金額は930,500円となり、年金証書の年金額が求まりました。

本来水準の年金額を求めてみます

本来水準の年金額を求める場合は、その年度に定められた再評価率を用います。

平成27年度の支給額を求めるので平成27年度の再評価率を用いて算出します。

H15年3月までの平均標準報酬月額

  • 報酬額合計=103,414,144円
  • 月数=263月
  • 平均標準報酬月額
    =103,414,144円÷263月
    393,210円

H15年4月以降の平均標準報酬額

  • 報酬額合計=33,983,000円
  • 月数=71月
  • 平均標準報酬月額
    =32,109,290円÷71月
    478,634円

本来水準の年金額を求めてみます

$$\small\sf{393,210円}\times{\frac{7.125}{1000}}\times{263月}=736,826円$$ $$\small{478,634円}\times{\frac{5.481}{1000}}\times{71月}=186,261円$$ $$\small736,826円+186,261円=923,087円$$

この本来水準の額が、従前額保障の額を下回るため、従前額保障の方の930,500円が報酬比例部分の年金額になりました。

報酬比例部分計算用ワークシートを作成しました

報酬比例部分を計算するワークシートを作成しました。

ねんきん定期便やねんきんネットに記載されている報酬額を入力して活用してください。

[平成27~30年度]厚生年金報酬比例部分計算用ワークシートを作成、ダウンロードOK!
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[令和元年度版]厚生年金報酬比例部分計算用ワークシート、ダウンロードOK!
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まとめ

私の年金記録の報酬額から平均標準報酬(月)額を求めました。

 本来水準従前額保障
H15年3月までの
平均標準報酬月額
393,210円378,783円
H15年4月以降の
平均標準報酬額
478,634円452,244円
厚生年金報酬比例部分
支給金額(H27年度)
923,087円930,523円

私の場合、結果的に従前保障額が年金額になりました。一般に、いまのところほとんど従前保障額が採用されているようです。

平均標準報酬(月)額を求めるときの再評価率は、従前保障の場合H6年度の再評価率で固定されています。一方、本来水準の再評価率は年度ごとに改定さます。

今後、物価上昇、賃金上昇などがあれば、年度ごとに改定される再評価率が上昇し、本来水準の年金額が従前保障の年金額を上回ることになります。