妻は2024年4月で65歳になります。
61歳から「特別支給の老齢厚生年金」を受給していますが、2024年5月分から本来支給の老齢厚生年金と老齢基礎年金が受給できることになります。
老齢厚生年金と老齢基礎年金はそれぞれ別個に繰下げできます。
老齢厚生年金は金額的にも大きくないので繰下げせず受給するとして、老齢基礎年金だけを繰下げすることにしました。
老齢基礎年金の繰下げについて試算してみました。
妻の年金加入歴と老齢基礎年金の年金額
妻は厚生年金・国民年金1号・3号・任意加入の合計加入期間が480ヵ月あるので、老齢基礎年金は満額受給できることになります。
また、国民年金1号被保険者・任意加入被保険者が加入でききる「付加年金」に64ヵ月加入しており、その分が老齢基礎年金に上乗せされます。
さらに、私が現在老齢厚生年金で「配偶者加給年金」を受給しており、妻が65歳になるとこれが支給停止になりますが、妻の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。
妻の老齢基礎年金
- 老齢基礎年金満額
816,000円(令和6年度・新規裁定) - 付加年金
200円×64ヵ月=12,800円 - 振替加算
27,444円(令和5年度) - 合計
856,244円


老齢基礎年金を5年繰下げると
老齢年金は1年以上10年以下で1ヵ月単位で繰下げることができます。
繰下げすることにより、1ヶ月につき0.7%、1年につき8.4%増額されます。
ここでは、老齢基礎年金を5年(60ヵ月)繰下げして8.4%×5年=42%増額されるとして、受給金額を試算してみました。
- 老齢基礎年金
816,000×1.42=1,158,720 - 付加年金
付加年金も増額されます
12,800×1.42=18,176 - 振替加算
振替加算は増額されません
27,444円 - 合計
1,204,340円
累積受給額を計算しました
65歳から繰下げしない金額で受給した場合と繰下げて70歳から受給した場合の累積受給額を計算しました。
- 65歳から年額85.6万円を受給
- 70歳から年額120.4万円を受給
表の累計受給額は、その年齢の誕生日までに受給する合計額になります。
年齢 | 繰下げなし | 5年繰下げ |
---|---|---|
65歳 | 受給開始 | |
66歳 | 86万 | |
67歳 | 171万 | |
68歳 | 257万 | |
69歳 | 342万 | |
70歳 | 428万 | 受給開始 |
71歳 | 514万 | 120万 |
72歳 | 599万 | 241万 |
73歳 | 685万 | 361万 |
74歳 | 770万 | 482万 |
75歳 | 856万 | 602万 |
76歳 | 942万 | 722万 |
77歳 | 1,027万 | 843万 |
78歳 | 1,113万 | 963万 |
79歳 | 1,198万 | 1,084万 |
80歳 | 1,284万 | 1,204万 |
81歳 | 1,370万 | 1,324万 |
82歳 | 1,455万 | 1,445万 |
83歳 | 1,541万 | 1,565万 |
84歳 | 1,626万 | 1,686万 |
85歳 | 1,712万 | 1,806万 |
計算上、5年繰下げ累計受給額が繰下げなしの累計受給額を上回るのは82歳4ヵ月目になります。
厚生労働省が発表している令和4年簡易生命表によると、65歳時点の女性の平均余命は24.30年で、平均して89.3歳まで生きることになります。
年金の繰下げは繰下げ期間の生活資金の目処が立てば、大きな選択肢になると思います。
繰下げ受給のポイント
年金の繰下げについていくつかのポイントを上げておきます。
- 老齢厚生年金と老齢基礎年金はそれぞれ別個に繰下げできる
- 1年以上10年まで1ヵ月単位で繰下げできる
- 66歳以降の希望する時点で請求手続きを行い、手続きを行った時点で繰下げ増額率が決まる
繰下げ請求を行わず、さかのぼって年金を受け取ることも可能
66歳以降の繰下げ受給待機中でも、繰下げをせず65歳まで遡って請求時までの年金額を一括で受け取ることができます。
その場合は65歳時点の増額されない年金額で計算されます。
繰下げ期間中に死亡した場合は…
繰下げ受給待機中の人が亡くなった場合は、65歳から亡くなるまでに受け取れるはずだった年金が、未支給年金として扱われます。
未支給年金を受け取れる遺族は、年金を受けていた人が亡くなった当時、その人と生計を同じくしていた、配偶者 、子 、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、3親等内の親族となり、この順位で受け取れることになります。
住民税非課税の条件にも注意して…
私自身の現在の年金額は夫婦二人世帯の住民税非課税の基準以下で、妻も住民税非課税なので、「住民税非課税世帯」ということになっています。
年金収入の住民税非課税基準
- 夫婦二人世帯の夫
65歳以上の場合…211万円以下 - 妻の年金収入
65歳未満の場合…105万円以下
65歳以上の場合…155万円以下
我が家の場合、妻が年金を老齢基礎年金を5年繰り下げしても、繰下げしない老齢厚生年金とあわせて年間130万円以下のなるので、「住民税非課税世帯」を維持できることになります。

まとめ
老齢年金の繰下げは、繰下げ待機中の生活資金が確保できるようであれば、長生きに備える大きな力になると思います。
ただし、受給額が増えることにより、所得税、住民税、健康保険料、介護保険料も増えるので、そのあたりを考慮する必要があると思います。
我が家の場合、妻が5年繰下げして70歳から受給するとしても「住民税非課税世帯」を維持できることになります。
また、万一の場合、繰下げ請求をせず遡って受給できるのも安心材料です。