新年度の年金支給額は毎年6月に「年金額改定通知書」で通知されます。
令和6年度(2024年度)の年金額が通知されたので、内容を確認していきます。
令和6年度年金額改定通知書
「ねんきんネット」に通知された「年金額改定通知書令和6年6月分」より、切り抜きました。
令和6年度の年金額は「2,163,395円」となっていますが、私の場合はこの金額になりません。
加給年金額が「408,100円」と記載されていますが、妻が2024年4月に65歳になり、配偶者加給年金は2024年4月分までになり、5月分からは支給停止になります。
同時に通知された「年金振込通知書」では、6月支払額(令和6年度4月5月分)に1カ月分の加給年金額が加算されています。
「年金振込通知書」については別記事で確認していきます。
国民年金(基礎年金) 784,415円
国民年金(基礎年金)基本額784,415円は、保険料納付済月数に比例する金額と付加年金加入月数による金額の合計になります。
- 保険料納付済月数に比例する金額
813,700円×456/480=773,015円 - 付加年金
200円×57月=11,400円 - 合計 784,415円
保険料納付済月数に比例する金額 773,015円
保険料納付済月数は、国民年金1号として国民年金を納付した月数と国民年金2号・3号の加入月数を合計して算出します。納付済月数480ヵ月で満額になります。
年金額
=基礎年金満額×納付済月数/480月
令和6年度基礎年金満額
- 新規裁定年金
65歳~:816,000円 - 既裁定年金
68歳~:816,000円
69歳~:813,700円
65歳から支給される年金を新既裁定年金、68歳になる年度から支給される年金を既裁定年金といいますが、令和6年度は、令和5年度の年金額が新規裁定と既裁定で異なっていたことを受けて、本年度68歳になる人は新規裁定年金と同額になります。
私は今年度70歳になるので「813,700円」で計算されています。私は未納月があって満額になっていません。
- 1号納付済み月数 122ヵ月
- 2号加入月数 334ヵ月
- 合計 456ヵ月
- 年金額
=813,700円×456/480
=773,015円
付加年金 11,400円
付加年金は自営業者などの1号被保険者や60歳以降の任意加入者がオプションで加入できる制度です。
毎月の保険料に400円を上乗せして支払うことにより、老齢基礎年金が年額「200円×加入月数」加算されます。
- 付加年金加入月数 57ヵ月
- 付加年金
200円×57月=11,400円
この付加年金については、賃金変動・物価変動による年金額改定はありません。
厚生年金 基本額 970,880円
厚生年金の基本額は、報酬比例額と経過的加算額の合計金額になります。
- 報酬比例額 970,616円
- 経過的加算額 264円
- 合計 970,880円
報酬比例額 970,616円
報酬比例額は、以下の方法で算出されます。
私が作成した令和6年度分の報酬比例部分計算シートで計算しました。
報酬比例額は(2)本来水準または(3)従前額保障のうち金額が大きい方になります。
今回の報酬比例額は(3)従前額保障の年金額970,616円 になります。
根拠となる数字が確認できました
今回、同時に「年金決定通知書・支給額変更通知書」という書類も通知されました。
妻が65歳になり配偶者加給年金が停止になることで通知されたようです。
その中で報酬比例額の算出の根拠となる「平均標準報酬額」の記載があり、上記の数値と一致していました。
経過的加算 264円
老齢基礎年金は20歳以上60歳未満の保険料納付済月数により算出されますが、20歳未満と60歳以降に厚生年金の加入期間がある場合、その期間は老齢基礎年金の年金額に反映されません。
そこで、20歳未満60歳以降の厚生年金加入期間の基礎年金相当分は「経過的加算」を厚生年金で上乗せして保障しています。
わたしの場合、20歳未満60歳以降の厚生年金加入期間がありませんが、少額の経過的加算が発生します。
経過的加算は以下の式で計算します
- A
=厚生年金定額単価
×厚生年金全加入月数(上限480月) - B
=老齢基礎年金満額
×20歳以上60歳未満厚生年金加入月数/480 - 経過的加算
=A-B
実際に算出してみます(令和6年度)
- 厚生年金定額単価:1,696円
- 老齢基礎年金満額:813,700円
- 厚生年金全加入月数:334月
- 20歳~59歳厚生年金加入月数:334月
- A=1,696×334=566,464
- B=813,700×334/480=566,200
- A-B=264
令和6年度の経過的加算額は264円になります。
加給年金 408,100円とありますが…
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が、65歳到達時点で、その人に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに、家族手当に相当する配偶者加給年金が支給されます。
さらに、厚生年金受給者の生年月日に応じて特別加算額が上乗せされます。
私の場合の令和6年度の加給年金は満額なら以下の通りになり、通知書にはこの金額が記載されています。
- 配偶者加給年金 234,800円
- 特別加算額 173,300円
- 合計 408,100円
妻が65歳になるので…
通知書には加給年金の1年分が記載されていますが、今年4月で妻が65歳になるので、5月分から加給年金は支給停止になります。
したがって実際に支給される金額は4月分だけになります。
同時に通知された「年金額振込通知書」には6月支給分に加給年金1カ月分が加算されていて、8月支給分以降は加給年金が加算されていませんでした。
- 加給年金1カ月分
408,100円÷12=34,008円
なお、配偶者が65歳になると加給年金は停止になりますが、配偶者の基礎年金に振替加算が付与されます。
私の場合は妻の基礎年金に年額28,176円が加算されることになります。
ただし、妻の基礎年金については70歳まで繰下げする予定なので、振替加算は基礎年金の受給を開始してからになります。
まとめ
私の令和4~6年度の年金額の内訳は以下の通りになります。
今年4月で妻が65歳になり、5月分から加給年金が支給停止になるので、私の年金の受給額は昨年度より32万円ほど減ることになります。
本来なら妻の基礎年金の支給が始まるところですが、妻の基礎年金を繰下げすることにしているので、家計全体としての収入は前年度より32万円がまるまる減ることになります。
内訳 | 令和6年度 | 令和5年度 | 令和4年度 |
---|---|---|---|
基礎年金 | |||
比例部分 | 773,015 | 752,970 | 738,910 |
付加年金 | 11,400 | 11,400 | 11,400 |
小計 | 784,415 | 764,370 | 750,310 |
厚生年金 | |||
報酬比例 | 970,616 | 945,441 | 927,726 |
経過的加算 | 264 | 250 | 195 |
加給年金 | 34,008 | 397,500 | 388,900 |
小計 | 1,004,888 | 1,343,191 | 1,316,821 |
合計 | 1,789,303 | 2,107,561 | 2,067,131 |
もっと詳細な内訳がほしい
年金通知書には、基礎年金、厚生年金の内訳について詳細な記載がありません。
せめて、年金請求手続き時に渡される「制度共通年金見込額照会回答票」にあるような内訳がほしいと思います。